『十角館の殺人』で始まる【館シリーズ】でおなじみである、綾辻行人さんのおすすめミステリ小説を10作品に厳選した。
ついでに独自のランキングもつけてみた。
先に言っておくと、このランキングには1位が2作品ある。
どちらも1位にならざるを得ない素晴らしい作品だからだ。
これから綾辻行人さんの作品を読んでみたい!という方はぜひ参考にしてほしい。
目次
1位.『十角館の殺人』
言わずと知れた【館シリーズ】の1作目である。
おそらく綾辻行人さんのおすすめミステリー小説ランキングを作ったら、ほとんどの人がこの『十角館』を1位に挙げるだろう。
これは仕方のないことだ。
アガサ・クリスティの傑作『そして誰もいなくなった』のオマージュ作品で、孤島に閉じ込められた学生たちが次々に連続殺人に巻き込まれていく。
真相が明らかになった時の衝撃は計り知れず、「思わず声を失う」か「絶叫する」のどちらかになる。
ただミステリー小説としての面白さだけではなく、この作品が【新本格ミステリ】の幕開けとなったことを評価しての堂々の一位である。
1位『時計館の殺人』
なんと、この『時計館の殺人』も1位なのだ。
2位にしようと思ったが、どうしても1位にしたかった。『十角館』と同じレベル、いやそれ以上に高品質なミステリだからだ。
少女の亡霊が住んでいるという「時計館」に訪れた人々に降りかかる連続殺人を描く。
ストーリー、舞台、作品の世界観の良さは館シリーズの中でもトップクラス。
伏線の張り方やトリックが非常に丁寧であり、
・「衝撃度の十角館」
・「華麗なる時計館」
という感じなのだ。
とにかく計算し尽くされた王道の館モノで、時計館ならではの大胆なトリックは十角館とは違ったタイプの衝撃を受ける。
だからといって、十角館の次に手にとってしまうのはNG。館シリーズは必ず順番に読もう。
読む順番は、
1.『十角館の殺人』
2.『水車館の殺人』
3.『迷路館の殺人』
4.『人形館の殺人』
5.『時計館の殺人 上』『時計舘の殺人 下』
6.『黒猫館の殺人』
7.『暗黒館の殺人』全4巻
8.『びっくり館の殺人』
9.『奇面館の殺人(上)』『奇面館の殺人(下)』
となる。
3位.『迷路館の殺人』
なんと三連続館シリーズになってしまった!が、仕方のないことだ。ソーリー。
館シリーズの3作目で、「迷路館」という奇妙な館に招かれた作家たちに降りかかる連続殺人を描く。
《衝撃度》だけで言えば『十角館』にも劣らない威力を誇っており、とにかく騙されるのが好き!という方に人気である。
さて、流石にこれ以上館シリーズが続いてしまうと面白みもないので、これ以降は館シリーズ以外の作品をご紹介していこう(制限しないとほぼ館シリーズになってしまう)。
4位.『霧越邸殺人事件』
おなじみの「館シリーズ」ではない館モノである。館がお好きなら必見だ。
吹雪で道に迷った人々が霧越邸にたどり着く。
そこで殺人事件に巻き込まれる、という実にミステリらしいミステリだ。
吹雪に閉ざされた館、奇妙な住人、見立て殺人の謎など、あまりにも王道なシチュエーション。
そこに綾辻行人さんならではの幻想的で奇妙な雰囲気を漂わせることで、館シリーズとは異なる唯一無二の存在となっている。
5位.『どんどん橋、落ちた』
「超難問犯人当て」短編集である。
頭を柔らかくして取り掛からないとまず解くことはできない。
館シリーズとは違い非常にユニークな内容になっており、真面目な本格ミステリが読みたい!という方には向かないかもしれない。
が、一種のミステリ小説として完成度が高く、「うわーそういうことかー笑」みたいな感じで楽しむ読むことができる。
6位.『緋色の囁き』
綾辻さんの作品の中でも特に幻想色の強いホラーサスペンス。
閉鎖的な名門女学院で巻き起こる連続殺人がメインで、ところどころにゾクッとする物語になっている。
王道の本格推理小説ではないが、ミステリ的な要素も少しは含まれてるのでぜひ一度読んでみてほしい。
一体どんなオチに持っていくんだろう、と先を気にさせる物語展開も魅力的だ。
本作は《囁きシリーズ》の1作目となっており、この後
2作目『暗闇の囁き』
3作目『黄昏の囁き』
と続く。
1作目を気に入ったなら間を空けず、続けて一気に読んでしまおう。
7位.『鳴風荘事件 殺人方程式II』
「館シリーズ」ではない館モノである。やはり綾辻さんと言えば館モノだ!
『殺人方程式 〈切断された死体の問題〉』に続く2作目であるのだが、この作品から読み始めても問題はないし、こちらの方がミステリ的にも面白い。
フーダニットとホワイダニットのバランスも良く、解決編での二転三転する展開には思わずにやけてしまう。
ユーモア溢れるキャラクターなので肩の力を抜いて読めるが、「読者への挑戦状」も含まれた本格推理小説だ。
ぜひ挑戦してみよう。
8位.『Another』
夜見山北中学三年三組に転校してきたた榊原恒一。
しかしそのクラスは呪われており、クラスメイトたちが次々に不可解な死を遂げていく。
一見ホラー小説なのだが、実はミステリー要素があって驚きを味わえるようになっている。
だが一番の魅力は綾辻さんの作り出す不気味な世界観だ。しかも抜群に読みやすいので、読み始めてしまうとページをめくる手が止まらなくなってしまう。
文庫版で上下巻あるのだが一気読みしてしまうだろう。
さらに『Another』の外伝作品『Another エピソードS』もあるので続けてどうぞ。
9位.『殺人鬼』
山中でキャンプをしていた男女8人が、謎の殺人鬼に虐殺されまくるスプラッターホラー。
が、ただのスプラッターホラーではなく伏線が散りばめられており、実はミステリー要素があって最後に「おおお?」となる。
思わず「痛い痛い!」と目を背けたくなるグロく痛々しい描写が満載なので、苦手な方は注意しよう。
このグロさが大丈夫なら、続編の『殺人鬼 ‐‐逆襲篇』もあるので続けて読むことをおすすめする。
10位.『フリークス』
精神病棟にいる患者の手記風の、3編からなる作品集。
ミステリーのようでホラーのようで、バランスが絶妙であり、綾辻さん独特の幻想的な雰囲気が漂う。これが綾辻ワールドというやつだ。
ホラーと言っても幽霊的なものではなく、精神病患者の思考の怖さがいい味を出している。
油断しておると思わず「なんだと!?」と唸らされる結末が用意されていたりと、最後まで楽しませてくれるのだ。
あとがき
以上、『綾辻行人さんのおすすめミステリー小説ランキング10選』となる。
ミステリー好きなら絶対に読んでおくべき作品ばかりなので、ぜひ参考にしていただきたい。
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