幻冬舎文庫さんより『心を運ぶ名作100。』という夏のフェアが開催中である!(•̀ω•́ )
新刊の話題作から、この夏に読んでほしい名作まで、100作品以上をラインナップされたそうだ。
その名の通り名作ばかりなのだが、今回はその中から私が特に好きな作品を7つ選ばせていただいた。
どれも自信を持ってオススメできる作品なので、1ミリでも気になってしまったら読んじゃおう。ためらわずに読んじゃおう。
1.『世界は「使われなかった人生」であふれてる』
『深夜特急』で有名な沢木耕太郎さんの映画エッセイ集。
私は『深夜特急』が狂おしいほどに好きで、つまりは人生のバイブル的存在なのだが、この『世界は「使われなかった人生」であふれてる』も負けないくらい好きだ。
映画を紹介するエッセイにもかかわらず、なぜか「旅」をしてきた感覚に陥る不思議な作品なのである。
他の映画評論とはまるで違う、沢木耕太郎さんならではの味を堪能しよう。
映画とは、旅であり、人生なのだ。そう思わせてくれる一作である。
映画が好きな方はもちろん、『深夜特急』が好きな方はぜひ読んでみてほしい( ˘ω˘ )
2.『溝鼠』
まさに「読む拷問」と呼ぶべき作品。こんな書物をオススメする人の気がしれないし、なぜ『心を運ぶ名作100。』にラインナップされたのかも不思議でならない(良い意味で)。
グログロのグロである。とにかく2度と読み返したくはない。
登場人物は皆クソヤロウだし、物語もえげつないし、読後感も最悪である。なぜ読んでしまったのだろう、と後悔の念が残る。
しかし、面白いのだ。グイグイ読まされてしまう。これだから新堂冬樹さんの作品はやめられない。
一度この刺激を味わってしまうと、他の作品では物足りなくなってしまう恐れがあるので注意しよう。これが「黒新堂」なのだ。
3.『絶望ノート』
『葉桜の季節に君を想うということ』でおなじみの歌野晶午さんによるミステリ。
これぞドンデン返しである。終盤はまさかの展開の連続でナンテコッタイ!と叫んでしまうだろう。
『葉桜』を楽しめた人にも、楽しめなかった人にも一度読んでみてほしい。どっちにしろ、見事に騙されてしまうのだから。
いじめられている中学生・照音は、その苦悩を〈絶望ノート〉と名づけた日記に書き残す。すると、照音をいじめていた人物が次々に死を遂げていく。
4.『背の眼』
民俗学の雰囲気を漂わせた、道尾秀介さんによるホラーサスペンス長編。
被写体の背中に人の眼が写り込んだ4枚の心霊写真。しかも被写体となった彼らは全員、撮影後数日以内に自殺したという……。
どことなく京極夏彦さんの〈京極堂シリーズ〉のような雰囲気があり、程よいゾクゾク感とスリル溢れる展開に一気読みは避けられない。
これこそ『心を運ぶ名作100。』という夏のフェアにピッタリな作品だろう。夏といえばホラーだからね。
続編の『骸の爪』もあるので続けて読んでしまおう。
5.『暗いところで待ち合わせ』
乙一さんの作品の中でも特に好きな作品。
盲目のミチルが住む家に、殺人容疑で追われるアキヒロが逃げ込んできた。そんな二人の奇妙な共同生活を描く。
非常にホラーな表紙であるが、実は心温まるような物語なのだ。ホラー作品だと思っていたので初めて読んだ時はびっくりしたし、でも本当に読んでよかったと感じた。
二人の人理描写の巧みさ、先が気になる展開の連続、一気読みは避けられない終盤。うーん、名作。
6.『階段途中のビッグ・ノイズ』
これぞ青春!!!と言わんばかりの爽やかでアツイ青春バンド小説。
廃部に追いやられた軽音楽部が、文化祭での演奏を大成功させようと奮闘する王道中の王道ストーリー。
ギター弾けないのに無性にギターをかき鳴らしたくなるような、もう一度学生に戻って軽音楽部に入部したくなるような、そんな作品。
とにかく面白い青春小説が読みたい、という時はコレを読もう。
7.『鹿男あをによし』
万城目ワールド全開のエンタメ長編。
『鴨川ホルモー』も『偉大なる、しゅららぼん』も良いけれど、個人的には今作が一番好きだったりする。
奈良県の女子高に赴任した教師が、奈良公園の鹿の命によって、日本滅亡を防ぐために奮闘する物語。
しゃべる鹿が登場するファンタジーな設定なんだけど世界観にスッと入り込めるし、奇想天外でハラハラしてドキドキするとにかく楽しい展開が続く。
ジャンル問わず「面白い小説」が好きなら必読ってわけなのだ。
あとがき
というわけで、私が『心を運ぶ名作100。』から7作品を選ぶとこんな感じになる。
我ながらナイスチョイスである( ˘ω˘ )
本当に面白い作品ばかりなので、少しでも気になったらぜひ読んでみてほしい。
コメントを残す