『マリオネットの罠』は赤川次郎さんの最高傑作でよろしいか-感想あらすじ

『マリオネットの罠』は、三毛猫ホームズシリーズなどで知られる作家・赤川次郎さんの処女長編ミステリーである。

本当に数多くの作品を書かれているが、『マリオネットの罠』こそが最高傑作!という方も多い。

実際、わたしもそう思っている(正確に言えば『黒い森の記憶』と迷う)。

本当に名作であるので、もしも未読であればあらすじだけでもいいので見ていっていただきたいのです。

『マリオネットの罠』のあらすじ

 

今作の主人公は、K大学の研究生・修一。

彼はフランス留学から帰ってきたあと、教授から「家庭教師をやってみないか?」という話を持ちかけられた。

内容は、住み込みで3ヶ月、お金持ち姉妹にフランス語を教えるというものだった。なんと報酬は100万円。しかも食事などはあちらが用意してくれるとのことだ。

途中いろいろありながらも目的の峯岸姉妹の館にたどり着いた修一。話をうかがってみると姉妹に両親はいなく、彼女たちの他に館には昌江と島崎という二人のお手伝いさんがいるだけだった。
しかし、ここから話が少しおかしくなってくる。

修一は姉妹たちの会話や行動から、ある違和感を覚え始めたのだ。

大皿、小皿、カップ、スープ皿……。すべてが、四つづつ重ねてあった。確かにそうか?確かだ。コーヒーカップが四つ、角盆に載っていたのをはっきりと憶えている。四人分の支度だったのだ。修一、紀子、芳子、そして……?

56.57ページより

幽閉された少女

この館に、自分の知らない誰かがいるのでは?

疑問を持った修一はある日、館の地下室を発見し、そこで幽閉された少女と対面する。

話を聞くと、彼女は紀子と芳子の妹であり、過去に人を殺してしまったため地下室に閉じ込められているのだという。

かわいそうに思った修一は、館に誰もいなくなったことを確認したのち、彼女を地下室から脱出させてしまう!

一方、町では

さて、舞台は館から街へと移り変わる。

そこでは謎の連続殺人が警察たちを悩ませていた。目撃者の証言から、ハーフコートを着た女性がいずれの事件にも関係しているらしい。

果たして、犯人はその女性なのか?
あらすじをまとめよう。

館に幽閉されていた女性を助けだしたら、街で猟奇的殺人が多発した、という流れだ。

だがここまで、全4章の2章までにすぎない。

では、後の2章では何が描かれているのか。それはぜひご自身の目で確かめていただきたい。

犯人は誰なのか?という謎はもちろん、なぜ彼らは殺されなければならなかったのか?を考えてみるのも楽しいだろう。

 

読みやすさとエンタメ性を兼ね揃えた名作ミステリー

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本書の特徴としてまず「読みやすい」ということがあげられる。おそらく、あまり小説に慣れていないような方でもスラスラ読めてしまうだろう。さすがは赤川次郎さんである。

次にエンターテイメント性。

つまりは、思わず引き込まれてしまうような物語の面白さと展開が楽しめるというわけだ。

サスペンス溢れる展開に、とにかく「この次はどうなるの?!」と気になってページをめくる手を止めさせてくれない。

そしてミステリー小説としての面白さ。

読者を揺さぶる二転三転する展開、ラストに明かされる真実はきっと多いに驚かれることだろう。

とは言ってもあまり構えすぎてしまっては面白くないので、まずは純粋にサスペンス溢れる物語を堪能していただきたい。

多くの方が今作を「最高傑作」と挙げているのには、ちゃんとした理由があるからなのだ。

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